パン取説


パンの歴史を遡ると紀元前のエジプトにあります。

農耕歴史以前にパンはすでに存在していて、採取した植物などで焼いていようです。

偶然の出来事で生まれた自然からの賜物でした。

日本においても縄文時代には、すでにパンのようなものを食していたようです。

太古からパンは人類にとって生きるための主食となり、それぞれの地域や風土、文化によって形を変えて馴染んでゆきました。

 

日本のパンは湯気の立った焼き立てが好まれますが、米や餅文化から譲り受けた日本人独特の味覚傾向のようです。また菓子パン、惣菜パンなど嗜好品としての位置を締めつつ、今では主食として独特の発展を遂げ生活に馴染んでゆきました。

ヨーロッパでは硬くて酸味が強いパンが好まれますが日本人の繊細な味覚や胃腸には強すぎる傾向があります。

KUKULIでは輸入されたパンのイメージや味のコピーではなく、食の原点に戻りつつ日本人にとって最高に美味いパンを目指しています。

 

パンの本当の旨味は、焼き立てよりも熱と水分が落ち着いたところにあります。

しっとりモチモチよりもボソッとしてからのほうが味わいが豊かで、水分が抜けるほど(3日目あたりから)旨味が際立ち、噛むほどに、ほんのりと小麦と乳酸菌の香りが口に広がります。

ワインや味噌が風土や毎年の自然環境の変動によって出来上がりが変わるように、パンは気温や湿度、天候によって毎日という単位で微妙な味の違いがあります。パン作りには高い基準を設定していますが、その上に生き物によって旨みや面白みを作り出され、五感を楽しませてくれます。

そしてもう一つの面白さは、作り手と作業空間によっても酵母のコンディションが変わるということです。

同じ材料を使い、同じ工程を経ても関わる人間と場所によって味が変わります。

これまではチームで製造した経緯もありましたが、より理想的なパン作りを目指すために一人の職人が一貫するという方針のもと製造を行い、日々精進しております。

 

パンは常温保存で4~7日が目安とお伝えしていますが、KUKULIでは実験として冷蔵保存で2週間、常温で10日、冷凍2ヶ月経過したものをそのまま(冷凍は自然解凍)とトーストで美味しくいただきました。

賞味、消費期限の目安は環境と個人差がありますので、色々と試してみられることをおすすめします。

 

しっとりパンをお好みの場合は購入直後から冷凍保存をおすすめしています。

また常温保存される場合は、防カビ剤を使用しておりませんので、湿度の多い季節や住環境ではカビを避けるために冷蔵庫に入れてください。